ホーム  >  実例16

事例16

ある不動産会社に街道沿いの海が一望できる360坪の農地の売却を依頼した。

「ここはいい場所だからすぐ売れるでしょう」とその担当者から言われ任せることに。

その担当者は「大きい農地でもアパートを建てるなどの計画であればすぐに農地転用できます」

「売れなかったら当社の建築部門がアパート用地を探しているのでそちらで建てて売ります」

と言っていた。

しかし、5年間売りに出してもなかなか返事がないので数年後他社に見てもらうことに。

他社の担当者は話をしてすぐ、「そこの土地は売れません」と一言。
理由を聞くと色々なことがわかってきた。

そこの農地に売却を依頼したときの不動産会社の大きい「売地」の看板が立っていた。

農地転用をするうえで360坪の農地をどうやっても処理しきれない。
また残地がどうしても残ってしまう。

土地の形状がいびつで不整形であるためにアパート用地としては建物が収まりきれない。

インフラの接続が困難である。等々

当時の話と食い違いがあると思い、地主が売却依頼を出した不動産会社の担当者に連絡を取ってみたところ

会社を退職していて当時のことをよく覚えていないと言われてしまった。

改めて他社に売却依頼を出そうと思い、その担当者に物件調査をしてもらうと
取り返しのつかない事実が
判明した。

そこの農地が建築できる農地かどうか農業委員会に確認したところ
数年前に
「売地の看板の撤去を不動産会社に
指導していた」との返事が。

無計画な農地の売却ということで行政があらかじめ警戒していたという事実が判明した。

その不動産業者は当該土地に自社の看板が立てられることだけのメリットを優先し
農地に違法な看板を
立てて所有者の不利益になることは一切考えないやり方だった。
さらに、物件の売却依頼
があった際に
登録する専門サイトにも載せておらず
営業活動は一切していなかった。

なおかつ、そこの不動産会社はなんの改善策も講じることなく看板を立てたあと、そのまま放置していた。

ずさんな管理の元、農地を売ることは許される行為ではなく、土地の所有者もどうすることなく今現在も

そのままになっている。

この問題は他人事ではなく、私たちも含めた宅建業者のあり方を見直すべき問題と考えています。

他人の土地で会社の宣伝を最優先にし、依頼人の利益は全く考えていない業者が多すぎるのです。

まさにこれは土地売却を利用した悪意ある行為と言わざるをえません。

不動産の売却を依頼しただけなのに知らず知らず良いように利用され
結果的に売却ができない土地になってしまう、ということ
になるのです。

地図検索

路線から探す

ページの上部へ