実例21 長年住んでいた中古の建物を売却しようと不動産会社に仲介を依頼し、 若干痛み等もあったので近隣相場よりも安い値段で市場に出すことにした。 しばらくすると仲介を頼んだ不動産会社以外の全く知らない不動産会社から、 「当社でフェスティバルをやるので金額を少し安くしてほしい」 「フェスティバルが終わったら金額をもとに戻すのでなんとかお願いしたい」 と変わった依頼があった。 少しの間だけなら、ということで了承して返事をした。 その後しばらく何の音沙汰もなく、仲介を頼んだ不動産会社にその後の状況を聞くと、 そちらの物件の取り扱いは急遽取りやめました。と言われた。 不動産売却の依頼をしたのに一方的に取りやめると言われたので 納得できなかった。 どうして取りやめたのかを聞いたところ、例の「フェスティバル」が原因を作っていたことが 判明した。 |
詳しく話を聞いてみると、売却を依頼した不動産会社が出していた金額よりも
「フェスティバル」と称して金額を下げさせてほしいと言ってきた不動産会社の金額が数百万円も
安く設定されており、市場で出回っている金額が不動産会社ごとにバラバラになっていた。
当初、依頼していた不動産会社からすれば自分の会社が出していた金額は正当な金額だったの
にも関わらず、他社で数百万も安い金額で出されており、不動産市場の公平な競争性を妨害された
格好になっていた。
そこで、その不動産会社はもうその物件を扱うことのメリットがないばかりか、むしろ他の不動産会社
よりも高い金額で値段を設定していることになり、インターネット上での信用性が著しく下がってしまって
いる状況になったのでその物件の取り扱いをやめることにした。
問題点は以下の通り
①そもそも不動産売却に際して「フェスティバル」という売り方はあり得ない。
②期間限定なので、となにも知らない売主を説得し不当に金額を下げていた。
③不動産市場でその「フェスティバル」を行っている会社のみが金額が安い。
④実際にその会社は「フェスティバル」など行っていないし行おうともしていない。
⑤売主に期間限定と偽っており、実際は永続的に市場に出していた。
⑥その会社のみ、金額が安いのでおとり広告にもなりうる。
⑦専属専任の会社が出している金額よりも安い金額で出している会社があるので他の会社も
取り扱おうとしない。
⑧以上の理由から正常な営業活動ができなくなり市場の流通性が落ちてしまう。
不動産を売却する際「フェスティバル」や「イベント」などと言ってきた場合はほぼ虚偽の可能性が
高いと言える。